頑張ってる辻井くんに申し訳ない気持ちになってくる。

文化祭が終わった後、教室で辻井くんに笑顔を返すことができるように、私も頑張って相手を探さないといけないかなぁ。

少しだけ片割れ探しに私が前向きになったとき、ひとりの男の子がこっちへ向かって走ってくるのが見えた。

「白石、いたー。探したぞ」

「痛っ」

コツン、と頭を軽く叩かれて、私は不満の声を上げるけど、庄司くんはまったく気にしていない様子で口を尖らせた。

「何不満そうな顔してんだよ。その顔するのはこっちだよ」

クラスメイトの庄司友樹(しょうじ ともき)くんは、男子バスケ部の部長も務める爽やか男子。

二年生に上がったとき隣同士の席だったのが縁で、私みたいな地味な子にも平等に接してくれる、とても人気のある男の子だ。

「どうして庄司くんが私を探してたの?」

私の言葉に、庄司くんは目を丸くさせた。

「あのなあ。文化祭のイベント、俺は結構楽しみにして探してたの! お前のカード、見せてみろよ」

彼に言われるがまま、私はカードをポケットから取り出した。

「そんで、こっちが俺の」

そう言って庄司くんが、私のカードの横に自分のカードを並べる。

「あ……!」

「な、白石のカードが俺のペアってわけ」

「え? 庄司くん、私が庄司くんと一緒のカードを持ってるって知ってたの?」

今度は私が驚く番。きょとんとしていると、庄司くんがフワリ、と笑顔になった。

「いや、昼近くにユーコに会ってさ、カードの絵について話してたら、あいつ急にスマホいじりだしてさ。そしたら『ショージと同じカード、きっと白石が持ってるよ』って言ってきて」