映司は、この姿が結婚式の写真で残り、一生語り継がれるのかと思ったらゾッとした。
でも、七条家の人達がよかれと思ってしてくれた事を、自分の好みにやり直すわけにもいかない。


「映司、いっその事、後ろで髪を縛ればいいんじゃないか?」


そう提案してくれたのは、中性的な魅力を持つジャスティンだった。
以前はゲイだったはずなのに、今は、立派な日本男児にと変身したジャスは、自分用に持っていた黒色の髪ゴムを映司に投げた。

映司は渋々自分の姿を鏡に映すと、その時代錯誤の髪型に絶句した。
そんな映司を見て、また全員が大爆笑をしている。

映司は少しだけ長めの髪を、きつく後ろで縛った。
確かに、こっちの方がはるかにいい。

映司は皆の方へ振り返ると、嬉しそうにピースをした。


「ジャス、ありがとう。
これで、神聖なる式の間に、皆の笑いを誘わないですむよ」


ジャスは笑いながら首を振った。