校舎を出た俺は、くつを履き直しながら空を見上げた。外は真っ暗で、空では星が輝きを見せている。
「お疲れ様、部長」
正門の所には、秀、ともえとしずかの3人が立っている。俺は、いつもの光景に驚きもせずに「やぁ」と微笑んだ。
「全員そろったから帰ろうぜ」
秀が言うと、3人は俺に背を向けて歩き出す。俺は、急いで3人の背中を追いかけた。
「煌めいた 俺の心は 月のよう」
俺は、再び夜空を見上げた。部活の時間以外にも良く川柳や俳句を作っている。
「夏空の 星の輝き まるで君」
ともえが微笑む。俺は、ともえの笑顔を見る度に胸が高鳴った。
「明日、数学の補習があるから部活に行けない」
しずかは、落ち着いた声で言った。ともえは「私も補習あるから部活に行けないよ~!」と言って、肩を落とす。
「分かった。頑張ってきてね」
俺は、2人に微笑んだ。いつの間にか、隣で秀が歩いていていた。