俺らが部活を楽しんでいた時、時計を見てみると『6時』を指していて、俺は「よし。そろそろ行くか……」と言って、イスから立ち上がる。

この川柳同好会は、川柳や俳句、詩を書く部活なんだ。……表向きは。裏では『悩み解決隊』と言うチームを組んでいる。

この悩み解決隊は、生徒の悩みを聞いたり、生徒会に不満を言ったりしている。あまり知られたくないから、色んな部活が終わる頃に活動をしているんだ。

俺は、廊下に出ると職員室に向かって走っていく。そして、職員室の近くに設置してある『悩み箱』と言う箱の中を覗いた。

この箱には、生徒が書いた悩みや不満を入れてある。それを解決するのが、我々の仕事。

「いつも通りか……」

箱の中は、たくさんの……ではなく、そこそこの量の紙が入っている。俺は、その紙をていねいに集めて部室に持ち帰った。

「おかえり。いつもの量だね」

俺が手に持っている紙を見つめた秀は、俺の顔に目を移す。

「今から読んでいく。えっと……『もうすぐ誕生日なんですけど、プレゼント何を頼んだら良いですか?』……お前、人にプレゼントを決めてもらう気なの?」

秀は俺から紙を奪い取ると、回答欄に『何も頼まなくて良いですよ。俺は、いつも要らないからと言っています』と書いた。

「……次。『生徒会に言ってください。なぜ、このウインドブレーカーの生地が薄いのかと』……分かった。言ってやるよ……これ、冬に書くものだと思うけど」

紙を机に置くと、ともえが『言っておくわ。その代わり……』と書いた。しずかが『お前の命はないと思え』と付け加えた。

「やめろ!怖いから!」と言うと、ともえとしずかは薄く書いていたのか、きれいに消し、『分かりました』と書き直す。