風が強く吹いて、紺色のプリーツスカートがパタパタと音を立てて揺れた。スカートから覗く足には、アザが沢山ある。


黒くて長い髪。アイツらに遊び半分で切られて、長さはまばらになった。


私がいじめられる理由なんて、どこにもないはずだった。



握り締めた手のひらに、爪が食い込む。


でも、痛みよりも、なによりも、心が辛くて、泣き出しそうになってしまった。




でも、そんな日々も今日で終わりだ。



ここから飛び降りれば、全部終わる。




私のつまらない人生。




「……さよなら。」




屋上の淵から片足を踏み出し、体が宙に浮こうとしていたその時、



腕を誰かに掴まれ、引かれた。



私とその誰かは、そのまま勢いで屋上の硬いタイルに倒れこんだ。