ってことは驚かせようとは思ってたんですね?

ってそうじゃないよね。

2人は楽しそうに好きなバンドの話をしてるみたい。

趣味があってたようで良かったね。

なんとなく取り残された私と名無しの先輩。

名前が無いわけではないけど、
名前知らないから何とも言えない。

「葉菜、俺らもメアド交換しとくか。」

そう言って携帯を取り出す先輩に待ったをかける。

「あ、あの先輩!
私、先輩の名前知らないのに
どうして私の名前知ってるんですか?」

少しの沈黙の後、

「教えない。」

え、どういうことですか?

混乱する私をよそにメアド交換は完了していた。

「今度、連絡するわ。」

「はい、わかりました。」

私はそれしか言えなかった。

「ほら、隼人帰るぞ。」

「えぇ、もう少し雛里と話したい。」

「また明日にしろよ。
俺、腹減ったし。」

「それもそうだな。
雛里、また連絡するわ!
てか、明日一緒に学校行こうぜ!」