私の横を通り過ぎて行く瞬間、
助けてくれた人はボソッと言った。

「ごめんな、葉菜。」

「え?
な、なんで名前……。」

戸惑っている間に姿も消えて、
辺りは静まった。

そうだ!

「雛里ちゃん、大丈夫?!」

「大丈夫。
けど、あの話しかけてきた先輩、
意外とタイプだったかも。」

ま、まじですか……。

「雛里ちゃん、彼氏いないの?」

「うん、いない。
2年前に付き合ってた人がいたの。」

そう、だったんだ。

でも、

「雛里ちゃんならすぐ付き合えるよ!
すっごく可愛いし!」

「でも、1つ許せない所はある。」

「へ??」

物凄く怖い顔をした雛里ちゃんが目の前にいた。

「さっきの人、
葉菜のこと侮辱してたでしょ。
それには謝ってもらうよ、絶対に。」