私と雛里の家は学校から出て真逆の方向にある。

正門で別れて、真っ直ぐ家に帰ってきた私は
勢いよくベットに飛び込んだ。

「はぁ〜、雛里、もう彼氏出来んじゃん!」

置いてけぼり食らってる感じ。

「私も彼氏欲しいぃ〜!!」

枕に埋めた顔を思い浮かべる。

まぁ、そうもいかないか。

鏡を見れば現実なんてすぐに突きつけられる。

(ぽわーん)

この音は私の携帯の着信音。

妹曰く、お姉ちゃんの雰囲気そっくり、らしい。

差出人は“赤西楓”。

「あ、赤西先輩??!!!」

メールを開くと顔文字も1つもない文章が並んでいた。

【今日はあいつがごめんな。】

いえいえ!
全然大丈夫ですよ!

文を打たずに心の中で返事を返していた。

【また会いに行くらから。】

最後にそう書いてあって終わっている。

また、会えるのか。