翌朝目が覚めると、痛みはすっかり消えていた。





当直医だった梶田先生はあれから会えないまま。毎日のリハビリを続けていくと、傷の回復はどんどん進んでいった。





『すっかり傷も腸の状態も良くなってる。このままならもうすぐに退院できそうだ。』





「ぇえっ!?退院!?そんなに早くっ!」






思ってもいないことにものすごく嬉しかった。





『腸の手術で、腸は順調になってきたから、胃は通院でも良さそうだから。必ず定期的にここに来るんだぞ!』





はぁ〜ようやく私に普通の生活が送れるのねぇ。





何しようかな、どこに行こうかなぁ。






『おい、聞いてるのか?』






「あー、はいはい。」





『おいっ!ちゃんと聞かないとまた大変なことになるぞ。』





もうそんなのどうでもいいっ。早く退院して家でゆっくりしたいなぁ。






しかし、今回の入院はしばらく帰れないと思っていた分、あまりの早さの退院にホント、驚いてる。






入院期間は今までで一番短いんじゃないかって思う。
その割に症状は良くなかったし、手術まで受けた。




しっかり聞いてないけど、藤堂先生の話では、手術がいい方向に進んだようだ。だからと言って、今までの生活が変わることはないようだけど…。