はっ!?と目を覚ますと、さっきやってきた看護師さんが点滴を腕に刺していた。
寒いと思ってお腹を見ると、今朝処置されたところをまた白衣を着た先生が見ている。
誰だろうかと思うよりも先に目に入る。
か、梶田先生っ!?
会いたいと思っていた気持ちが、こういう時に限って叶う…。
もっと普通にしてる時に会いたいのに。
そんな視線に気づいたのか、
『どう?まだ辛いかな?』
それはさっきから変わらない。
頷いて返事する。
『いつから?』
「ずっと……。リハビリの時にこけてから。」
『美咲ちゃん…』
こんな時だけど梶田先生の顔をまともに見られなくて目を背けていたけど、なんだかいつもと違う声色。
『傷の消毒しても痛みがある時はちゃんと言わないと…、って今日も藤堂先生が言ってたはずなんだけどな。』
まっすぐ私の目を見て話す梶田先生。
そんな顔で見られたら…ただでさえボーっとしてるのに、さらに顔が熱くなる。
『もう少し強い薬を入れるから、これで痛みもなくなると思うし、眠くなるだろうから、ゆっくり寝なさい。』
真面目な顔から優しい顔に戻った梶田先生にホッとする。
やっぱり……
好き……。
梶田先生の優しい顔と声に酔いながら、そのまま眠りについた。