「ふぅ〜、暑い……。」
布団を脱いでみるけど、やたらと身体中が熱くなっている気がする。さっきよりもずっと身体が怠い。
いい加減、ナースコールした方がいいかな…。
なんて考えていると、廊下を歩くと音がかすかに聞こえた。
ガラッ
静かな夜にゆっくり響くドアの音。
やがて足音は私のベッドの方にやってきて、カーテンの開く音がする。
『美咲ちゃん、大丈夫?暑いのかな?』
あっ、ようやく…助けに来てもらえた。
「……暑くて。怠くて……。」
デコに当てられた手が、ひんやりしていて気持ちいい……。
一人で不安だったからか、看護師さんの手に安心してそのまま目を閉じた。
『美咲ちゃん、すぐに氷枕持ってくるからねー。』
慌てて部屋を飛び出す当直の看護師。
と同時に携帯電話で当直医に連絡する。
確認してはいないが、今朝の傷の処置のこともあるので、ナースステーションに着くとすぐ、カートを用意して氷枕に酸素マスクを乗せて部屋に向かった。
静かな廊下に、カートと看護師の足音が鳴り響く。