『気に入ったなら買えば?』



「気に入った。
・・・那智は?コレ好き?」



『そ〜だね。
結構、好きかも。』



癖になる肌触り。
意外と気に入ってしまった。



「じゃあ、2つ買う。」



黒猫のクッションとラグマットを抱えてリンは、足早にレジに向かった。



『ちょっと待った!リン。』



ん?と訳が分からないと言った感じに首を傾げてその場に止まった。



『なぜ、2体も買うのかな?』



落ち着け〜、と優しい笑みと口調でリンに問いかける。



「那智、気に入ったって言った。
俺と那智ので2匹。」



なるほど・・・って、納得するわけがない。



『自分のは自分出払うよ?』



「那智は甘えることを知らない。」



『は?』



急になんだ。



「紅綺の時もそうだ。
素直にありがとうって甘えて、服買ってもらえばいい。」