『どこの会社との座談会ですか?』



自室を出て廊下を曲がれば人目につく。



俺も楓も外向きになる。



「合同です。
まぁ、会場につけばわかりますよ。」



にやにやしながら答えにならない回答を口にした。



「では、」



扉をノックして先に楓が中に入る。



「お久しぶりです、那智様。」



「よぉ那智様。」



「・・・那智。」



聞き覚えのある声。
様をわざとらしく強調している。




『はぁ、お前ら。』



なんなんだ、この会は。



「似合ってますね。」



「いいんじゃねーの?」



「可愛い、那智。」



「俺が渡さなきゃ、スーツだったけどね。」



『うるせ。』




寮の時とおんなじ位置にみんなが座る。



「では、座談会始めますか?」



やっぱり、こいつらと一緒にいるのが楽しいって思う。



こいつらと出会わなきゃなかった今。