星を数えていた。~竜也side〜



夜中、真っ暗闇のなか外に出て。

とても寒いのか、マフラーを巻いている。


マフラーとは別に、首にかかっている重さのあるもの。

墨のように暗い空に、赤、青、白…。様々な色をした宝石達が散りばめられている。


『1つ、2つ、3つ、4つ……』


《死んだ人は、星になる》


もしかしたら俺は、昔早くに別れた父の面影を探しているのかもしれない。


《今見ている光は、過去のもの。もう既にその光はなくなっているかもしれない。》


『10、11、12…、』


人間は覚えては忘れるという1連の動作を繰り返す、言わば、忘却の生き物だ。


何か記憶関連に秀でていない限り、いずれ忘れてしまう。


首元に下がっている“それ”。

カメラを、俺は手に取り空の1場面を切り取った。



人は何かの面影を必死に、忘れないように、留めておく。

それでも、忘れそうになって探すんだ。


____亡きものの影を、思い続ける。