立夏episode1.

今日もまたここからはじまった。

決まって朝8時30分
私はこの本屋の前である人物を待ち伏せしていた。


その人物はもーすぐ私の視界に入る。

「真白お兄ちゃん!」

私は見かけるなり
その彼に近寄った。


少し陽の光で茶色に光るサラサラの髪を
なびかせて
今日も紺のネクタイを綺麗に締めている。

「立夏、ほんと諦めないね」

浅くため息をつくお兄ちゃんに
私は頑なに食いついた。

「今日で、98回目、ねえそろそろこの手紙受け取って、」


差し出している左手には
花柄のポイントがあしらわれた
シンプルな封筒。

「何回もゆうけど
立夏のことは、、妹みたいな存在で
好きとかそうゆう感情じゃないんだ」

98回目

またしても同じ決め台詞で

振られる今日。

明日は


明日は、、


またその次の日は


きっと返ってくる返事が

違うんだって

期待に期待を重ねて

いつもここに立っている。