ピトッ。

頬に伝わる冷たい感触。

「うわぁ!!」

そこには、さっき『お疲れさま。』と笑顔で帰って行った

海晴先生の姿が。

「あれっ?さっき帰られたはずじゃあ…………」

「うん。
疲れたから、コーヒーを買いにコンビニに寄ったんだけど……
今日も航を、コキ使ったなぁって思ったら
差し入れ用のコーヒーを買ってた。
2本も飲めないし、第一航用は甘いヤツだから………
持って来ないとって思って。」

クスリと笑って

「ありがとうございます。」とお礼を言うと

急に、真っ赤になる。

ホントに可愛いなぁ。

「お先に。」

「また明日ね。」

ニヤニヤしながら帰って行く梓先生と彩先生。

「あっ!ちょっと待って!」と慌てて夏苗先生も追いかけて

帰って行った。

「今日は、みんなで集まらないんですか?」

「うん。
唯ちゃんが先生と一緒だからね。
アイツ、独り占めして離さないんだよ。」

心から悔しそうに話す。

「だったら、久しぶりに飲みに行きませんか?
いつもの居酒屋ですけど。
この間のご褒美は、運動会が終わらないと無理ですし。」

そう言って誘うと

「航、疲れてるんじゃない?
コーヒーもあるし、ウチに来ない?
簡単な物なら作るし、遠慮なく飲めるよ。
食後のコーヒーにすれば良いし。」

お家に行ける!

手料理も?!

驚くことばかりで

缶コーヒーにこだわる意味を知ろうとしなかった。

「ホントに良いんですか?」

「良いよ、おいで。」