「おはようございます。」

にこやかに挨拶する唯ちゃんに、優しく応える恭子先生。

ホッとした表情を見せる唯ちゃんに

とりあえず安心して、園バスに乗り込む僕と悠人先生。

問題を解決したいけど

それでも出来るなら、何事もなく過ごせたらと思うから。

しかし、僕達の願いは空しく終わり

1便のバスを終えて、幼稚園に戻ると

唯ちゃんが、子供達の体調を見ながら挨拶している反対で

恭子先生が、沙羅ちゃんのお父さんに

「お熱が下がって安心しました。
もしもまた出たら、園で寝かせて一緒に連れて帰ります。
その為に、ここの就職を考えたので。」と言っていた。

それだけでも、大問題の発言なのに

「孝二さん」「恭子さん」と

かなりの親密さが伺える。

離婚して3ヶ月の父親と、家庭のある主婦の先生が

あまり仲が良すぎるのは感心しない。

まして、えこひいきして一人の子供の事だけを考える教師では

勤めてもらっては、問題が起きる。

悠人先生と2便のバスの中で話し合い

後で園長ともう一度話して、採用を見送ることにした。