泣いて不細工になった顔を上げて、キスしようと思ったら………

また電話が鳴り始めた。

「たぶん、彩先生だけど…………どうする?
さっきので、僕達の関係がバレたみたいなんだけど………。」

少し悩んで…………

ポチッと通話ボタンを押して

僕に携帯を差し出した。

認めて良いってことだよね。

ニッコリ笑って

「もしもし。」と出た。





「はい、付き合ってます。
今ですか?」

そう言うと、膝に乗ったままの彼女のおでこにキスをする。

チュッ。

「航!!」

怒る彼女の声が聞こえたみたいで

『ハイハイ、仲良くやってね。
実習生のことは、海晴に聞いて。』と言って切れた。

拗ねる彼女をソファーに寝かせて

覆い被さって腕に捕らえる。

「彩先生に仲良くやりなさいって言われたよ。」

クスクス笑う僕とは違って、緊張気味のみぃ。

まさかキスが初めてなんて言わないよな??

急に不安になって聞いてみる

「もしかしたら、ファーストキス?」

「…………………………ううん。」

首を振る彼女に、流石にそれはないかと思った時

「大人になってからは………初めて。」と。