昼には頭痛も治まり、起き上がれるようになったみぃは

「シャワー浴びるから…………来ないでよ。」と呟いて

ドタバタと浴室に消えた。

別に覗いたりしないのにな。

前回偶然見てしまったことを、まだ引きずっているんだろう。

見たくないとは言わないけど

嫌がる事はしないんだけど…………。

こう疑われると、イタズラ心が湧いてくる。

コンコン。

浴室のドアを叩くと

「開けたらダメだからね!!」と大声を出す。

「みぃ、一緒に入ろう。」

からかう僕に…………

バシャッ!!

開いたドアから手桶だけ出して、水をかけられた。

「うぉっ!」

「航のバカ!!」

バタン!

再び強い力でドアが閉められ、ガチャリと……鍵まで閉めた。

仮にも…………僕は彼氏なんだけどなぁ。

これ以上からかうと洒落にならないから、大人しくリビングに戻った。



「みぃ、髪を乾かすよ。」

「いい。」

「今夜は何が食べたい?」

「いらない。」

「みぃ、」

「いいから、ほっといて。」

取りつく島もない程怒っている。

ちょっと冗談が過ぎたかな?

仕方なくお昼ご飯の用意を始めると

髪を乾かしながらチラチラこちらを見ている。

たぶん僕が怒った?と気にしてるんだろう。

さっきまで自分が怒ってたのに………。

どうもみぃは、強気の割によく不安そうな顔をする。

家庭か過去に何かあったのかな?