「お邪魔します。」

相変わらず広い間取りのお宅に行くと

悠人先生のお兄さん夫婦も来て、大騒ぎに。

どうやら、お兄さん達が預かった子犬を

悠人先生に預けるようだ。

いきなり子犬って…………と驚いたが

先生は慣れているらしく

奥からゲージや餌箱を出してきた。

「航、悪い。
組み立てるのを、手伝って。」

スッカリ飼う気の先生に

みぃを始め、お姉さま方はおおはしゃぎ。

普段見ることのない、みぃの溺愛ぶりを眺めていたら

「上手くいったみたいで安心した。
彼女は傷つきやすいから、大切にしてやれよ。」と

ボソボソ話しかけられた。

「はい、そうします。
これから1年かけて、僕の隣が一番安心できると言ってもらえるように
頑張ります。
大学に戻ると、今程一緒にいられないので…………。」

「悪いな、無理なこと頼んで。」

「いえ、有りがたいと思っています。
彼女と一緒になるにしても、収入が安定しないと困るので。
頑張って、先生に応えられるようになります。」

「力みすぎずにな。
今でも十分期待に応えてくれてるから。」

優しい悠人先生と男同士の話しをしていたら

「先生、大変だよぅ!
ワンコがオシッコしちゃった。」と

悠人先生の溺愛する唯ちゃんがやって来た。

「こらっ、チンチン触っただろう。
子供と一緒で、親いぬが嘗めて促すから
つついたらダメだよ。
ほらっ、貸して。」と

さっきまでの次期園長の顔から

デレデレ彼氏の顔になった。

子犬を挟んで、おままごとのパパとママだな。