「航、悠人先生に頼まれた実習生の指導するよ。」と

話しかけて来た。

もしかしたら?と期待しないでもなかったけど……

まさかホントに声をかけてくれるなんて。

だってそれって…………ヤキモチでしょう?

嬉し過ぎて、口が緩む。

「あぁ……………はい。」

海晴先生の言葉に

「海晴先生の指導だったら元気になるね!」と意味不明な言葉を残して

唯ちゃんが去って行った。

悠人先生………唯ちゃんにしゃべってないよな??

疑問に思いながら唯ちゃんの方を眺めていたら

「やっぱり唯ちゃんが良いんじゃない。
…………………嘘つき。」と聞こえた。

あぁ!可愛い!!!

ここが幼稚園じゃなかったら、抱きしめていた。

「この間も言いましたけど……
僕が好きなのは、先生だけです。」

彼女の耳にだけ届くよう、囁くように話すと

バッ!と立ち上がり

「バカじゃないの!」と叫び……………注目を浴びた。

幸い、彼女が怒る事はしょっちゅうだから………

みんな大して気にも止めないで、業務に戻っていったけど。

ただ一人、立ち上がった彼女だけは恥ずかしいらしくて

「航、行くよ。」と帰り支度を始めた。