「航先生、2階に運ぶのを手伝ってもらっていいですか?」

最近また唯ちゃんが、話しかけてくれるようになった。

「は~い。」

悠人先生と順調らしい唯ちゃんは、可愛い笑顔を振り撒いている。

いずれ園長婦人なんだ。

僕の上司になるんだよなぁ。

悠人先生から、まだ知らされていないらしく

何の気負いもなくのんびり仕事をしている。

結婚がはっきり決まったら話すって言ってたよな。

清い関係の二人は、まだまだ同居。

悠人先生のそんなところも、尊敬する。

同じ男だから分かることだけど………

一緒に住んでて手を出さないって、並みの事じゃない。

二人の間に、一瞬でも入ろうとした自分が恐ろしい。

この二人に隙間なんて一ミリもないのに。

僕もいつか海晴先生とそういう関係になれたらと思う。

彼氏彼女の関係だけでない………もっと深い思いで。

先ずは、このギスギスした関係をどうにかしないとな。