「ありがとうございます。
悩むまでもなく、先生の役に少しでもたてるように頑張ります。
一年したら、大学に戻って資格を沢山取ってきます。
海晴先生の事は……
どうしたら良いのか、まだ決めてないですけど……
近い内に行動を取ろうと思っています。
意識してくれてると思うけど……好きになってくれてるのかは………
自信がないから。
近づくと泣きそうな顔をするから…………困ってます。」

「あの海晴先生が、泣きそうな顔をすること事態スゴいと思うけどな。
俺はあの人に泣かされてきたし。」

そう言うと、懐かしそうに笑ってる。

たぶん、僕が入る前………唯ちゃんに片思いしていた頃

海晴先生にいっぱい励まされたんだろうな。

彼女は「5人より大切な物はない」って言ってたし

唯ちゃんを取るなら『大切にして泣かすな』って怒りそうだもんな。

「海晴先生は、真剣な恋愛をしたことがないんだろうな。」

悠人先生の唐突な発言に目を見張ると

「誰かと付き合った経験は、もちろんあるだろうけど……
あの不器用さは………ホントの恋愛をしてきてないような気がする。
俺も唯ちゃんと付き合うまでそうだったから、何となくそう思う。」

確かに。

僕もそれは感じてた。

海晴先生は……周りの事には敏感なのに、自分の事には酷く鈍感だ。

むしろ、自分の心に深く踏み込まないようにしている気がする。

「海晴先生は……唯ちゃんの大切な友達なんだ。
俺は……唯ちゃんが悲しむ姿を2度と見たくない。
自分勝手な男だと思うかもしれないけど……
仕事の事、海晴先生の事………真剣に頼む。」

悠人先生がいう唯ちゃんの悲しむ姿とは………

先日の彩先生の事だろう。

あれはホントに大変だったもんな。

悠人先生に言われたからではないけれど………

僕だって海晴先生の泣き顔なんて見たくない。

何が正しい答えかは分からないが……

先生の笑顔のために考えよう。