「夏苗先生、誕生日会の出し物ですけど……」

「彩先生、来週の参観日の準備は………」と

海晴先生と関わりを持つことなく時間が過ぎていく。

時々見かける海晴先生は、この間の海のような

晴れないままの顔をしてる。

たぶん僕に酷いことを言ってしまったと、苦しんでいるのだろう。

その証拠に、僕と目が合うといつも泣きそうになっている。



「航、今日ちょっと付き合える?」

悠人先生は、相変わらず月に1度か2度飲みに誘ってくれる。

唯ちゃんと同居してからは、1度がやっとだけど。

海晴先生に恋をして、チャンスを狙っている事と

海で『近づかないで欲しい』と言われた事は話してる。

「海晴先生、結構限界じゃないか?」

ビール片手に聞かれる。

「そうですかねぇ?」

ホントは……そうなんじゃないのかな?と僕も感じている。

「らしくない失敗や行動が増えてる。
見守るのも大事だけど、タイミングを間違えると
俺みたいに思わぬ方向に行くことがあるぞ。
俺は、最終的に四人の協力で乗りきってきたけど………。
四人の中でも一番の切れ者が、協力者になれない航は……
よく考えて行動しないとな。
基本、女の子の考えは………俺たち男が全て理解することはできないんだから。」

悠人先生のありがたい助言を聞きながら

ここ最近の海晴先生を、思い浮かべた。