熱のせいでぼーっとする頭を巡らせる。


昨日のことって言って思い当たるのは、先輩のことだ。


あれはどっちかって言うとあたしが言い出したことだし、青木くんが謝ることじゃない。



ズキリと痛む頭をふるふると振って、少しだけ口角を上げる。



「あたしが言い出したことなんだし、青木くんは気にしないで…?」


「…うん」


「ちゃんと先輩送れた?」


「うん」


「そっか、良かった」




へらりと笑ってみせるけど、熱のせいかな。


少しだけ、寂しいって思った。


甘えたいって、本当は行って欲しくなかったって言いたくなった。



あー、なんかあたしってこんなんだったっけ?


今まではそんなこと思ったこともなかったのに。


「藤井さん?」


青木くんにそう呼ばれて見つめられるだけで、胸がありえないほどドキドキして苦しくて泣きそうになる。


恋って、こんなものなのかな?