「それじゃあ、ゆっくりねぇ」


何も知らないお母さんは、呑気にそんなことを言って部屋を出ていく。


年頃の乙女だよ?


そんな簡単に部屋上げないでよ!!



こういう時、普段からちゃんと片付けておけばよかったって後悔した。



髪型だって起きたばっかで乱れてるし…

恥ずかしくなってばっと毛布を被る。



「藤井さん…?」


「…ちょっと恥ずかしいからこのままでもいい?」



ちらりと目だけ出して青木くんを見上げる。

すると彼は少しだけ微笑んで近くに座った。




「良かった…昨日のこと怒ってんのかと思って」



昨日のこと…