俺は女子とそこまで話さないけど、芹沢とは仲がいい。
芹沢も男子と話さない方だ。
出会いは2年前。中学1年のころ…
芹沢と俺は同じクラスだった。
まあまあ話すほうではあったが、今ほどではなかった。
仲良くなったのはいつだったっけ。 
ああ、そうか。あの出来事があってからだったか。
あれは放課後の教室で…
「…どうしたの。高山。…何で泣いてるの?」
最悪だ。どうしよう。泣いてるところをみられるなんて。
何で泣いていたか、今から思えばくだらないことだった。
テストの点数が悪かったのだ。
父が6歳のときに無くなり母子家庭のうちはあまりお金がない。
だから成績がかなり悪かったの俺は今回の二学期の期末テスト前流石にやばい、と思い勉強を頑張った。
少しでもいい高校に入りいい大学いい会社に入ってお金を稼ぐために。
今まで勉強はほとんどしていなかったが期末の1ヶ月前から毎日1時間頑張った。
それなのにテストの点数は多少は上がったものの平均点に達さなかった。
毎日1時間頑張ったのに…頑張ったのに何でとれないんだろう。
なんだが悔しくなり放課後教室で泣いた。
クラスで帰宅部は俺だけだし、誰も来ないだろう…と思っていたのに。
泣いているところをみられるなんて…本当に最悪だ。しかも女子に…恥ずかしすぎる。
男子なのに泣くとかダサっとか思われそう…いや思ってるに違いない。
恥ずかしさと焦りに覆われるものの見られたのが芹沢で良かった、とも思った。
他の女子だったら誰かに話すかもしれない。
でも芹沢は意外としっかりしている面もありこれは他の人に話したらだめだな、と判断できる人だったし、口止めしたら絶対に守るだろう。
いや…でも見られたのが芹沢でまだ良かったけどそれでも…恥ずかしい。
「高山…?」