「おはよー高山くん」 
「おっす」
下駄箱で靴を履き替え教室に向かおうとしていたら女子に挨拶された。しかも今日だけで女子に挨拶されたのは4人目だ。
普通だったらありえないって思うかもしれないが、俺にとっては日常茶飯事だ。
何より俺はモテる。しかも学年一。
自分で言うのもなんだが俺は容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群を持ち揃えたかなりパーフェクトな人間だと思う。
そのためみんなのアイドル的存在になっていて女子はほとんど俺に挨拶するのが当たり前になっているので挨拶するのに勇気はさほど要らないのだろう。
そんなことを考えながら3階の教室へ向かうため階段を登っていたら
「高山、おはよー!」
6人目。挨拶してきたのは去年同じクラスで今は違うクラスの、明るくて美人でモテる一条さんだった。
挨拶されるのは全然嫌な気にならない。むしろ少し嬉しい。いや、かなり。
中学生の男子なら女子に挨拶されて嫌な気になんてならない人がほとんどのはず。
でも、モテて困ることが1つ。
1部の男子に嫌われるということ。
友達がいないって訳では無い。性格は明るい方なので多い方だが1部の男子に嫌われている。
ていうかみんな裏で嫌っているかもしれない。
上辺だけの付き合いをしているので
ゆういつの親友は幼なじみの和樹だけだった。
…男子に睨まれてるなぁ
一条さんに挨拶されたことで近くにいた男子がこちらをギロッとみている。
逃げるように俺は教室へ向かった。