「……っ」
《いまの…、どういう意味…っ?

なんで、そんな表情で言うの…?》


雅人の意見に同意した時の悠の表情…、今まで見たことのないような…穏やかな柔らかな表情…


「そぉだ! 今日、歓迎会、やらない? 瑞希ちゃんの! 4人で!」

と、瑠樺の発言に…意気投合する雅人…

瑞希は、正直、戸惑った…

悠と距離を置きたい…置かなければ…と、思い立った矢先に…これでは…


「いいね、鷺森さんは? どうする?」

そぅ、同意した悠…

優しく…、柔らかそうな笑顔に…胸元が高鳴る…


もぅ少し…、一緒にいたい…。。それは、正直な気持ち…

瑞希は、頷き返した…

「うん、行こうかな…?」
《ほんの少しでも…、

彼のことを…、見ていたい…

ただ、それだけ…

それ以上は、何も望まない…


離れなきゃ…と、思うけど。。

それ以上に……っ》

と、自分に言い聞かせるかのように…

「そっ! 良かったー!」

上機嫌の瑠樺…、瑞希は、この土地でせっかく出来た友達を失いたくなかった…

ただ…、彼のことを見ているだけ…、それで引き返せる…と、本当にそぅ…想っていた…


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「美味ーっ! ね! この唐揚げ、美味しいょ。瑞希ちゃん、食べてー!」

と、相変わらず…上機嫌な瑠樺…

瑠樺は、運ばれてきた食材を、我先にと口にし…次々…と瑞希に進めてくる…

「ありがとう…」

瑠樺に進められた甘口のタレがかかっている唐揚げを1口口にした瑞希…

「ホント。どうやって作ってるんだろ?」

と、思わず…本音を口にした瑞希…

目の前の男性2人…は、仲の良さが伺えるくらいに…、2人で会話をしているようで…店内の騒がしさもあってか、なんの話をしているのか中々聞き取れずにいた…

「あの…、3人…は、昔から仲いいの?」

と、目の前の悠と雅人が仲が良さそうにしているのは、学食で話をしていた時から気がついてはいたが…その男性2人と瑠樺は、何故…仲が良いのか?

「あ、ウチら3人が附属からってのは知ってるのよね?」

その、雅人の言葉に頷き返した瑞希…

「俺と瑠樺は、幼なじみなの。で、悠と俺は中学から部活同じで…。
もう1人…、同じ附属からの奴とよくつるんでいたんだけど…。
悠、漆原とは?」

雅人は、最後の名を口にした瞬間…、一瞬、悠の方に視線を投げかけた…

「幼なじみ…っ?」

その瑞希の問いに、雅人と瑠樺はほぼ同時に頷き返した…

「部活って、何を…?」
《佐伯さんは、スポーツマンタイプだから、なんか…分かるけど…

成宮くんは、スポーツやってる感じには…っ》

「あー、バスケをね!」

瑞希に聞かれたことを、雅人は笑顔で答えていく…

「そぅなんだ…。私も、中学の時、やってたけど…上手くいかなくて…辞めちゃったんだ…」
《意外っ!》

「瑞希ちゃん! 意外ッ! そんなスポーツやってるようなタイプに見えないのに…!
あたしなんて、スポーツ…からっきしダメよっ! 見てるだけーだったから。
それよりさ、漆原くん、大学来てるよねー? あたし、見たことないんだけど…成宮くん、知ってる?」

と、またもや…出たその名に…

悠の表情が一瞬、強ばったような気がしたのを…瑞希は見逃さなかった…

「…いや…。知らないけど…っ。」

そぅ…、突き放すように…冷ややかに言った…その言葉…

「そっかー!
あ! 瑞希ちゃん、漆原くんってのもね…雅人や成宮くんと仲いいの。リーダータイプで俺さま系だけど、いい奴だよ。法学部…だよね?」

と、瑠樺は、瑞希に…その漆原という男子学生について…簡単な説明をした…