「その、安倍晴明が陰陽師っていうのは知ってるよね?
信じられないかもだけど、妖怪っていうのはそこらじゅうにいるんだ。
でね、安倍晴明のやっていた陰陽師っていうのはまだ続いていてね。
その子孫は全国にいて妖怪から、みんなを守っているんだよ」

「はぁ...」

この人たち、私がその家の人って知らないのかな?

実は、大したことないとか?


いやいやいや、神楽の家が広すぎて知らないだけかも...

ていうか、もしかしてこの人たちも
神楽の血を継いでたりするの?

親戚?!

「で、皆さんが安倍晴明の子孫だと...??」

「いや、そういうわけじゃないんだけど...」

「俺達は、その分家だ」

会長さんが急に言い出した

「安倍晴明の弟子が祖先で、分家したそいつらの子孫が俺達だ」

へぇー
なるほどねー

分家...

そんなのいたんだ


全く知らなかったよー

「まぁ、とは言っても、安倍晴明と血は繋がってないから力事態は弱くてね。木火土金水(もっかどごんすい)っていう陰陽師の五行相生ってのに基づいた力を使えるだけなんだ。まぁ、この中で1番強い術者は珀なんだけどね」

「そうなんですか。...で、それとこれとがなんの関係があるんですか?」

「おどろかないのね」

オネエ先輩が驚いたように言う
おどろかないのねってあなたが驚いてるじゃないですか

「お前に、それがバレたから生徒会に入ってもらうんだ」

「はぁ...って、横暴な!!嫌ですよ!!」

「じゃあ、お前はこのことを黙ってられるか?」

「はい、もちろんですよ」

「誰にも言わないか?」

「はい」

そんなの、朝飯前さー

「一生バラさずにいられるか?」

「はい」

「生徒会に入るか?」

「はい...え?...いやいやいや、入りませんよ!」

「取り消し不可だ」

うわぁー、やられたー!
最悪だよぉ
生徒会になんて入りたくないよぉ

「さもなくば、退学にしたっていい」

今、問題発言があったような...

た、退学ぅぅ?!!

「そんな権限はないはずです!」

「何かと、理由を付ければ簡単に出来る」

ひっど...!

最低じゃん
でも、退学は困るし
仕方ない、か

「わかりましたよー!やればいいんでしょ!やれば!!」

「最初からそういえば良いものを...」

寮に戻ろうとすると、

「あぁ、言い忘れていたが、お前は生徒会専用の寮に移ってもらう。荷物は運び込み済みだ」


「は、はぁーーーーーー!?!?!?」

何それ、2度びっくりなんですけど

いや、2度所じゃないほどビックリなんですけど


「友達とかに話されたら迷惑だ。まぁ、友達なんていないと思うが...」

「いますよー!友達くらい」

イッラーーーー!!

バカにしてんのかな?!

「あと、仕事をしてってもらう。この書類の間違えをパソコンに直して打ち込んで俺のパソコンにデータを送れ。だいたいは赤ペンで直してあるが、直ってないとこもあるから自分で直して打ち込め」


命令口調、ホントイラッとくる!!

「わかりました!」

「やる気があっていいだろう。じゃあこれ全部やれ」

渡された、書類は10cmはありそう
10cmってことは、だいたい1000枚くらいあるんじゃない?!

もう、ホントにヤダ!!
イライラしてる私は、少し強めにキーを打ちながら作業を進める

時刻は17時

目標、40分で終わらせてやる!

これ、日本語だし、まぁ、すぐ出来るよね

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ


よし、終わったー!

時間は、

17時39分!

目標達成〜!

「出来ました。次ください。会長」

「「「は?」」」

生徒会メンバー全員が私の方をみる

「あんた、もう終わったの?」

「はい...?終わりましたよ?」

そんなに驚くことかな?

「あの量を?」

「えぇ...?」

「......あ、えっとじゃあ」

ずっと黙っていた会長がやっと言葉をひねり出してきた

「なんか、軽食を作れ」

「え?こんな奴になんか作れるって思ってるの?珀ちゃん」

「失礼な!私だって、別にそのくらい作れますよ!オ・ネ・エ・先輩!!」

イラッときたから、オネエを強調して言ってあげた

「だから、オネエじゃないっつの!!」
生徒会室にはなんと、

キッチンがついていました


広っ

ホテルの厨房?!


ってくらい、すごいキッチン

なんか、簡単に作れるもの...

と考えいると

パッと閃いた



おにぎりを作ろう!

具材は、塩に、梅に、オカカ、昆布、鮭、

さっさとにぎって

一口大のおにぎりを作っていった

高校生の5人前なんてよくわかんないから適当で...
「出来ましたよー!」

部屋にはいって声をかける

「ホントに食べれるのー?」

「食べたくないなら、食べなくていーです」

そんなことを言ったのもつかのま、


「いっただっきまーす!!」

と、元気よくおにぎりにかぶりついたのは

久野先輩だった

「んーん!おいひーー!!」

「そんなに、言うならアタシも......ん、美味しいじゃない」

「...(グッ)」

無言でハンドサインだけで返す、柊先輩

「結構、おいしーじゃん」

双葉先輩も、そんなことを言ってる

「うまい」

会長に、までそんなことを言われて

私は大満足だ

「もう、ひと仕事やったら帰るぞ」

「「「はーい」」」

それで、結局帰ったのは18時30分頃だった

それも、もちろん生徒会寮とか言うところに...

寮とは名ばかりのような

ほぼほぼ一軒家


ただ、豪邸だ

外見は焦げ茶色のレンガ造りのような見た目に、二階建て
玄関もとにかく広くて5畳はあるんじゃないかというレベル

少し、進んだところに大きな門のような扉があって、中は大きなリビングルームになっている

大きな、黒い革張りのソファがL字型に並んでいてテレビと低めなテーブルがある
その奥の、大きなダイニングテーブルは焦げ茶色で椅子もそれに合わせてある感じだ

正面から見て右手側に、これまた豪華なキッチン
左手側には、大きなお風呂があった。トイレはその横

「Wow…」と思わず声がもれる


2階は、各自の部屋らしい


奥から、会長、双葉先輩、久野先輩で
その向かい側に、柊先輩、オネエ先輩となっていた

「アンタの、部屋はココ」

と言って、1番手前のオネエ先輩の横の部屋になった


凄いことに、全部屋トイレ付き


金持ちなんだろーな

「じゃあ、料理アンタがやれば」

私が、やることを決める時急にオネエ先輩が言い出した

「それ、毎日はきついだろ」

「じゃあ、飛鳥と交代でやればいいんじゃない?」

「オレはベツにイイよ」

「じゃあ、決まりねー。掃除と洗濯アンタがやってよ」

おいおい、何言ってんだこの人

「どうせ、そのくらい出来るでしょ」

出来ますけども...

「ひょっとして、あんた出来ないの?」

答えないでいると、そんなことを言い出すもんだからイラッときて

「やりますよ」

と、引き受けてしまった