スルッと、手錠ごと腕が降りて
滉牙さんにもたれかかった。
痺れる身体をゆっくり動かし、
手錠のかけられた手で彼の頬に触れる。
「こ........が、さん........」
重い口を無理やり開ける。
「........もう大丈夫......。
大丈夫だからな......」
そう言って彼は優しく抱き締めてくれる。
抱き締め返したいが、身体はもう動かない。
手錠も邪魔をする。
スーッと意識が遠のいて行く。
遠くで彼が呼ぶ声、同時にサイレンの音がした。
視界も次第にボヤけ、
目の前が真っ暗になった。
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