「.........ゆい?

ゆい、しっかりしろ!!」



必死にこちらに向けられる声に反応が出来ない。

声は聞こえる。

ちゃんと顔も見れる。

けれど、全身が痺れている様で

身体はいうことを聞かない。



「タイガ!! 救急と警察頼む!!」

「お、おぅ!!」



タイガさんは慌ててケータイを取り出す。



「ゆい? 俺がわかる?」



心配そうに覗き込む彼に、ゆっくり頷く。

フック状に曲げられた鉄パイプにかけられた手錠。

鉄パイプを倉庫に転がっていた鈍器で

押し曲げる。