滉牙さんが口を開く度、男は発狂する。
滉牙さんは顔色ひとつ変えない。
滉牙さん。
滉牙さん。
本当に死ぬつもりだった。
ごめんなさい。
私も父や母、この男から被害者ぶれないな。
男を利用して死のうとしたもん。
アイツらと一緒だ。
ごめんなさい。
でも、
彼の顔を見て、声を聞いて、
安心している自分がいる。
なんて残酷なのだろう。
なんてズルい自分。
薬が効いてきた身体が意識を朦朧とさせる。
けれど、しっかり滉牙さんが目に映る。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…