現れたのは老婆。

目付きが鋭く、眉間にシワが寄っている。

こちらを見て別人の様に顔つきが穏やかになる。



「あらあらまぁまぁ、お嬢ちゃん
こんな朝早くに1人でどうしたんだい?」

「あ.........」



上手く話せない私の鞄を見て

また目付きが鋭くなる。



「.........あんたか」

「........?」

「あんたが結菜か。」



ギロッとこちらを見下す老婆。



「結菜かと聞いている!!」



声を荒らげる老婆。

急な事に戸惑い、身体が固まる。