心拍数が跳ね上がるのが分かった。

耳に心臓が張り付いたみたいに

自分の鼓動が忙しなく五月蝿い。



「こ.......こ、」

「こ?」

「こっ.......心の.....準備がっ」

「ぶはっ、ごめん笑っちゃった」



楽しそうに笑う彼とは裏腹に

焦りと緊張で心が乱される。

.......どうしよう、もう顔見れない。



肩に腕を置かれたまま、逃れは出来ない。



「もっかいやってくれたら、
俺ももっと落ち着くかも。」



そう言って彼は ほら、と首をまた傾げた。