「ゆい」



そっと頬に触れる大きい手。

ゆっくりこちらを覗き込む。



「生きて。

俺と玲花の為に、生きて?」



悲しそうな顔をする彼に、

涙が止まらない。



「無理しろなんて言わない。

けど、君が居ないと考えたら、
俺達はまた崩れていくと思う。

だから死なれたら普通に困る。」



涙を拭ってくれたその手は、

頬に触れたまま。