彼の言葉に、また頬に雫が伝う。

次から次へと流れ落ちる。

彼はそれを優しく拭いながら微笑んだ。



「君に会って初めて生きた心地がした。
君に会って初めて、いろんな感情を知ったんだよ」



彼の握る手はゆっくりと強くなる。



「だから、救われたのは俺ら。
救ってくれたのは、君なんだよ。

だから、死にたいなんて言わないで。」

「っ.......ごめんなさい......ごめんなさい.......」

「また謝る。
謝るの禁止って言ったでしょ」



そう言って彼はまた溢れる涙を拭ってくれる。