「君が昔の話をしてくれて、凄く嬉しかった。

同時に自分の情けなさに気づいた。
拾って囲えば救った気でいた自分に。
少しでも前に進もうとしている君に。

なんにも進歩してねえ自分に、
何やってんだろって。」



彼はゆっくり私の手を握る。



「ぶっちゃけ姉貴とこんなに会話すんのも初めて。
タイガもあんなに喋ったのいつぶりだろってくらい。

姉貴も君に会って変わった。
自立したと同時に全部捨てて出て行ってさ.....

姉貴がほんとに嬉しそうに笑うとこ初めて見た。
本気で心配して泣くとこも。

全部、君がくれた初めて。」