制服の上にエプロンをつけた美衣が、母親と一緒に料理を運んできた。



今日のメニューは、あいつが得意なシチューとハンバーグだった。



「これね、全部美衣が作ったのよ。
私がパートで遅くなる日は、いつも美衣が作ってくれるの」



「本当ですか?」



「母親の私が言うのもなんだけどね、この子なんでもできるの。

もういつお嫁に出しても恥ずかしくないくらい」



「やめてよ、お母さん……」



あいつは新倉と目を合わせて、恥ずかしそうに微笑んだ。