レムの言葉がぐるぐると回る。

リリーの秘密を受け止める……。俺が……受け止める……。

俺はあることを思いついた。そうだ、俺から行動するのもいいだろう。

「レム、ありがとう」

レムの背中に、俺は笑いかける。レムは「気にすんな。また飲ませろよ〜」といつものように笑った。



レムに悩みを打ち明けてから二週間後、俺やリリーたち対策本部のメンバーは、メロウ国を訪れていた。そう、アレックスの出身国だ。

「うう〜…。行きたくない!」

布団にくるまりいも虫のような格好になるアレックスに、俺たちはため息をついた。

「ダメだ!学生なら勉学に励むべきだろう!!」

俺は布団を引き剥がそうとするが、アレックスはそれに必死に抵抗する。

今回メロウ国に来たのは、会議があるからではない。他国の学校を視察するためだ。…俺が提案した。リリーたちは、「リーバスがそんなことを自ら言うなんて…!」と大げさなほど驚いていたが…。

アレックスは高校生なので、視察先はメロウ国とスムーズに決まった。しかし、問題は……。

「行〜き〜た〜く〜な〜い〜!!」

アレックスが学校に行きたがらない、ということだ。これは予想外だった。俺は頭を抱える。