リリーの秘密とは一体何なんだ?イワンの鏡で見たことが真実ならば、リリーとはきっともう永遠に会えない。

レムは俺の無茶苦茶な話を最後まで聞いてくれた。俺の手を解いた後、ゆっくりと口を開く。

「お前さ、恋愛のこと何もわかってねえな!」

「……は?」

レムの口から出た言葉に、俺は言葉を失う。レムが人を馬鹿にする時は大体ふざけている時だ。しかし、今レムは真面目な顔で俺を見ている。

「好きになっちまったんなら、そこに身分もクソもねえ!何そんなことで悩んでんだよ。リーバスらしくねえよ!俺はあのお嬢様とは二回しか会ってねえけど、あのお嬢様ならお前の気持ちをきちんと聞いてくれると思うぜ。だから、胸張って後悔しねえように想いをぶつけろよ!!」

レムは俺の背中をバシバシ叩く。……もう少し加減してくれ。痛い。いつもされている仕返しか?

「あとな、人にはどんなに仲が良くたって知られたくない秘密の一つや二つあるんだよ!その秘密を受け止められるように、お前がしっかりしないといけねえんじゃないか?」

何も言えない俺に微笑みかけ、レムは飲み終わったグラスなどを片付け始めた。いつもなら手伝っているが、レムに言われた言葉に体が動かない。

立場なんて、関係ない…。身分も、関係ない…。