顔を恋のときめき…などではなく、酒で赤くしながら俺はとぼけるが、レムは俺を真剣に見たまま、目をそらそうとも表情を崩そうともしない。

「最近、ちょっと元気ないみたいだし心配でさ。…対策本部の方でなんかあったのかよ?」

酒が入っていなかったら、俺は絶対に話すことはなかっただろう。レムの相談はよく聞くが、俺自身がレムに相談したことなどあるのだろうか。俺の記憶が確かなら、一度もないはずだ。

でもそれは、レムを信用していないというわけではない。レムは確かにこんな変な奴だが、仕事は意外と真面目でいい奴だ。弱い自分を見られたくないという俺の気持ちのせいだろう。

けど、今は何となく話してもいいと思った。アルコールで頭がふわふわとしていて、どんな重い話でも軽く言える気がした。

俺はウイスキーの入ったグラスを置き、どんな表情で話せばいいのか悩んだが、結局目の前のレムと同じように真面目な表情になり、話した。

「……実は……リリーのことで悩んでいるんだ……」