その子の近くに行くにはあと1回だけチャンスがあった。


それはアンコールのとき。


全部の曲が歌い終わって、挨拶をした。


そして、俺らは一旦、待機室に移動した。


「アンコール!アンコール!」


ファンのみんながそう叫んでるのを、聞きながらアンコールの準備をした。


いつもよりちょっと髪をいじり、もう一度ステージの上に立った。