公園を見渡す。

「まだ、来てないか…」

樹はため息をつく。

公園には小学生くらいの子供たち4,5人とベンチに座る着物を着たおばあちゃん、携帯で話をしているサラリーマン。

まだ、後藤 法香はきていない。

樹は入り口のフェンスのぬれていない所を見つけて寄りかかる。

すると、樹に手をふる女の姿…。

(なんであのおばあちゃん俺に手をふってるんだ?)

そう、樹に手をふっていたのは、ベンチに座る着物のおばあちゃん。

とりあえず、目が合ってしまった樹はニコリと作り笑いを浮かべてみた。

それに頬を染めたおばあちゃん。