法香おばあちゃんの最後の手紙を読んで樹は一人泪したのだ。

本当にこの子は泣き虫さんだ。

「どうして、俺を責めないんだよ。
 あんなにひどいこと言ったのに…
 有り難うって……。」

その日、樹は眠りにつくまで泣いてしまった。

「ごめん。法香さん」

星空に向かって夢の中で樹は法香おばあちゃんに言ったのだ。

夢の中に法香おばあちゃんの姿はなかった。