大きな家の前で娘さんが自分のカバンからカギを取り出した。

「ここ、うちなのよ。
 ちらかってるけど入って。」

「はい、あの法香さんもいらっしゃるんですかね」

「…ええ、そうね、いないわけじゃないわよ。」

何ともあいまいな言い方であった。