法香おばあちゃんに逢うたび樹は思ってしまうのだ。 (もっと、若ければ…) どうにもならない願い。 法香おばあちゃんは可愛かった。 「ホホホ」 と、上品に笑う。 樹は除々に法香おばあちゃんのとりこになっていた。 お弁当の力か? 一緒にいると楽しいのだ。 だが、樹は法香おばあちゃんのことを「好き」だとは認めない。 思春期の少年だ。仕方あるまい。