「あ…あの、昨日はお弁当有り難うございました。
 おいしかったです」

樹は懸命に気持ちを伝えた。

樹は真面目だ。

法香おばあちゃんはうれしそうだった。

「良かったわ。
 久しぶりにね、料理頑張っちゃった」

(嗚呼、この人が若ければ、素直に可愛いと…
 好きだと思えるのに…)

樹は悔しい気持ちになった。

「また、作ってもいいかしら?」

法香おばあちゃんは思い切って言ってみた。

「え?」

樹は断ろうかどうしようか考えていた。