「私が後藤 法香です。
 あなたに手紙を書きました。
 今日は来てくれて有り難う。
 うれしいわ」

法香おばあちゃんはずっと考えていたのか、セリフ口調で樹に丁寧に言った。

辺りはだんだんとまた雨が降りそうな曇り空へと変わってきた。

「あなたとね、一緒になりたいとかそうゆうのじゃないの。
 これをね、渡したくって…
 はい、これ」

と、言って法香おばあちゃんは生徒手帳を渡した。

「あ、コレ俺の…」

樹はシワシワな手で持たれた生徒手帳を受け取る。

「どうしてコレを持っているのでしょうか?」

樹は頑張って敬語を使っている。

「これはね…」