暗所恐怖症……とまでは言わないけど、私は暗いところが怖い。


映画館も、プラネタリウムも、夜中に外に出るのも……真っ暗になるところは、とにかく苦手。


だから、寝るときだって電気をつけ、明るくして寝る。


それが毎日のことのように、深夜に部屋の中で物音がするのもまたいつものことだったりする。


それが続くせいで、私はその時間に目が覚めるようになった。


ちなみに、強盗とかではない。


部屋に来るのは、隣の家に住む幼なじみ、宇汰。
宇汰は毎晩私の部屋に来ては……


「宇汰!早く明るくしてよ!」


部屋を暗くし、家用プラネタリウムを私の部屋で使っている。

こんな僅かな光でも、暗闇であることに変わりはない。


「ごめんね、月奏ちゃん。すぐやるから」


そして暗闇の中で宇汰の声が聞こえたあと、部屋に明かりが戻った。


「……いい加減にしてよ。私、こんなことされても、星なんか見に行かないって」